塩素系オイル添加剤の影響


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金属表面改質系に多く見られる塩素系オイル添加剤の潤滑性能とエンジン内部への弊害

金属表面改質系に多く見られる塩素系オイル添加剤による潤滑性能とエンジン内部への弊害

■塩素系オイル添加剤とは


塩素系オイル添加剤とは塩素化パラフィン、(含むハロゲン化炭化水素)などは塩素系に属する物質で、オイル添加剤の成分中にこれらが含まれていれば塩素系のオイル添加剤と言うことになります。

ちなみにハロゲン炭化水素とはオイル添加剤の成分表示欄によく記載がされていますが、ハロゲン属(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素・・・)、と炭化水素(炭素と水素の化合物)の化合物の事で特定の性質を示す物質ではなく「塩素」も含まれている可能性もあります。

よって塩素系オイル添加剤であると成分表示で判断するには塩素化パラフィンなどが含まれていることが条件になりハロゲン化水素だからと言って断定できません。(ハロゲン化水素はほとんど全てのオイル添加剤に入っています)

■塩素系オイル添加剤の用途


デファレンシャルの添加剤としての適応

実は塩素系の添加剤はスタンダードに使用されていたりもします。塩素系の性質としてμ単位ですが金属表面を腐食なんかさせることによって高い極圧潤滑性能を発揮しますので、マニュアルトランスミッションやデファレンシャルギアオイルの添加剤として主に使用されています。

デファレンシャル(以下デフ)のギアなどは特にエンジン回転を一般的に4~5分の1に減速しアウトプットする高負荷の掛かるギアですから加速、減速時などには極圧潤滑という領域で潤滑しなければいけません。

このような状態では通常のオイルの油膜による潤滑ではなく改質した軟化被膜による潤滑が極めて有効とされている為です。

エンジンオイル添加剤としての効果

上記で説明したとおり塩素系オイル添加剤は腐食による軟化被膜を形成します。よってパフォーパンス性の高いチムケンテストなどでは確かに高い性能を示しますし、極圧潤滑の性能は確かなものですがエンジンではそこまで負荷の高い潤滑領域に達しない為、むしろ磨耗防止の保護性能を重視した方が言いといえます。

確かに摩擦抵抗は低減されますが塩素系はエンジンを保護するタイプの添加剤ではありません。よってレース走行をメインに使うのでそのときだけ性能を発揮できれば良いという場合は構いませんが長期使用には適していません。

軟化被膜が常に作られた状態で高速回転するエンジンでは結果的に通常よりエンジン内部の磨耗が多くなってしまう恐れさえあります。

■塩素系オイル添加剤が及ぼす弊害


現在のエンジンシリンダーは耐磨耗向上の為鋳鉄製ライナーが圧入されていたりしますが、ピストンは軽量化したアルミニウム合金です。アルミニウムは金属の中でも腐食性の高い金属ですので塩素にはめっぽう弱く長期にわたって高負荷域で塩素系のオイル添加剤を使用すると磨耗促進の原因となります。

アルミに比べて腐食の進みにくい鉄も、アルミに比べて強いだけですぐに錆びてしまうことから分かるとおり腐食性は決して低くはありません。

塩素のアルミへの攻撃性を確認するのに良い方法があります。通常プラスティック製品に使用されているメッキはアルミ蒸着メッキです。プラモデルや車のエンブレムなんかに良く見かけます。

これらを身近にある塩素系漂白剤に浸けてみると面白いコトが分かります。メッキが全て溶解してただのプラスティックパーツになってしまいます。(メッキパーツを塗るときにメッキを剥離する方法です。アルミメッキに限ります)

このことからいかに塩素がアルミ中心で構成されているエンジンの内部に影響を与えるかが分かります。この事実からオイル添加剤メーカーでははっきりと塩素系では無いということを明記しているメーカーも存在します。

■塩素系オイル添加剤と燃費


正直な話塩素系のエンジンオイル添加剤は即効性が高く、フリクションロスの低下もかなり期待が出来ますのでフィーリングも軽快に感じられ燃費向上効果も期待できます。

すなわち体感効果の高いエンジンオイル添加剤といえます。しかしながら腐食膜による潤滑効果の向上はしだいに磨耗促進してしまう傾向にあり結果的にエンジン内部の金属パーツの消耗を早めてしまうことになる諸刃の剣だということを理解しておきましょう。


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